世事両茫茫

人生不相見 動如参與商
この出会いがなければお互いはかりしることもなかったでありましょう
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12月 25

 「何の為に俺がここに来たと思っているのか」と総理の怒声が聞こえた。これはまずい。一般の作業員の前で言うとは。

 

 2階の会議室で菅総理は武藤副社長、吉田昌郎第1原発所長から、事故の状況説明を聞き、特に第1原発のベントの実施を強く求めた。吉田所長は総理の厳しい問い詰めに、「決死隊をつくってでもやります」と答えた。

 

 やりとりの合間に、黒木審議官は、第2原発にも原子力緊急事態宣言を発令することと、3キロ圏内の住民に対して避難の指示をすることについて総理の決裁をとった。

 

 また、総理は、県副知事に対して、住民へのヨウ素剤配布などについて質問した。東電側にだけでなく、副知事や班目委員長に対しても総理の口調は厳しかった。

 

 総理は会議室を出てから、現地対策本部長の背中に手を置き「頑張って」と激励した。しかし、総理の態度、振る舞いを見て、同行した旧知の寺田学補佐官に「総理を落ち着かせてくれ」と言わざるを得なかった。また、政権の一員として、同席した関係者に「不快な思いをさせた」と釈明した。

 

 視察を終わって、総理がこの時期に現地視察をしたことと、現地での総理の態度、振る舞いについて、指導者の資質を考えざるを得なかった。かつて中曽根総理が在任中、座禅を組んだことを思い出した。座禅などを組まなくてもよいが、指導者は、短い時間であっても、沈思黙考することが必要だ。思いをめぐらせ、大局観をもって事にあたらなければならない。そして、オーケストラの指揮者のように振る舞うことが求められる。(以下略)

菅前首相の原発視察に関する池田元副大臣の証言ほぼ全文:イザ!